2022-09-15
Interview with Mr. Woo and Mr. Yeo

TGFM: ”Stone Turtle” のロカルノ映画祭の独立賞、国際映画批評家連盟賞(Fipresci Prize)受賞おめでとうございます。監督はこの作品がなぜ高く評価されたと思いますか。
ウー監督: ロカルノでのワールドプレミアでは観客、批評家双方から高く評価されました。社会的、政治的な問題、強いキャラクターやビジュアルを備えたスリラーであると同時に、実験的な作品であることを好意的に受け止めてもらえたようです。また本作は多くの映画ジャンルを実験的に取り入れています。タイムトラベル、アニメーション、アクション。本作は観客に挑戦するものでもあり、様々な形で映画を賞賛する作品でもあります。
TGFM: 過去にも”Woman on Fire Looks for Water”, “The Tiger Factory”, “River of Exploding Durians”『アケラット-ロヒンギャの祈り』などお二人が監督、プロデューサーという形で映画祭で注目を集める作品を生み出しています。
お二人の出会い、ウー監督が創業したGreenlight Picturesの役割など教えてください。
ヨウ プロデューサー: 2007年、偶然にも同じ劇場でヤスミン・アハマド監督『ムクシン』を見ていた際に、共通の友人であるフィルムメーカーを通じて知り合いました。私はちょうどオーストラリアの大学を卒業し、東京で修士を取ろうと予定していたところでした。長年の夢である映画製作を夢見ていた学生だったんです。ウー監督はその時すでに2本の長編を撮り終えており、国際映画祭で活躍をしていました。彼はちょうどGreenlight Picturesを設立したばかりで、手伝いを探していました。映画の趣味も合ってすぐに仲良くなりましたし、彼が私にプロデューサーのトレーニングとして参加することに興味があるか聞いてくれたんです。映画監督としてのキャリアを歩む前に実際の撮影現場を体験できることは素晴らしい機会で、多くを学びたいと思っていたので、イエスと答えました。これが私たちの長年にわたるコラボレーションの始まりになったんです。
Greenlight Picturesは当時、自国の保守的な映画スタジオシステムに対して作家主義の作風で映画の境界線を押し広げることを目指して設立されました。我々は常に世界中の優秀なクリエイティブな人材と仕事をすることが自身のアーティストとしての可能性と世界観を広げ、その結果、今まで携わってきた様々な国際共同製作につながったと信じています。
TGFM: TGFM2021への参加は”Stone Turtle” 完成に貢献しましたか。TGFM以降にインドネシアが共同製作に加わったようですが、その経緯などお聞かせください。
ヨウ プロデューサー: TGFM2021では多くの出会いがあり、このプロジェクトに青写真とインスピレーションを与えてくれたと思っています。世界中のプロデューサーと話をし、情報を交換することは常に非常に貴重な機会となりますし、『STONE TURTLE』をより国際的なアプローチで進めたいという思いが強まりました。TGFM参加後、アニメーターであり日本在住のポール・ウィリアムス氏に声をかけ、作品に参加してもらうことになったことが、一例です。
またインドネシア人女優のアスマラ・アビゲイルさんを主役としてプロジェクトに参加してもらいたかったため、これまで多くの作品を世に送り出してきた(私たちが大好きな作品をプロデュースしてきた)カワンカワン・メディアに協力の可能性を打診しました。彼らがイエスと言って参加してくれたことにとても感謝しています。近年の東南アジア諸国間の共同製作は、国際的に高く評価される作品を数多く生み出していますので、文化的にも国の成り立ちも異なるフィルムメーカーとのコラボレーションで、最高の作品を作りたいという気持ちが一層強くなりました。
TGFM: エドモンドさんは早稲田大学院で映画製作を学び、東京国際映画祭にも過去何度も参加、特に昨年は「ムーンライト・シャドウ」の劇場公開もありました。TIFFでのフィルムメーカーや観客との交流で印象深かったこと、今後、日本とのコラボレーションの予定などがあれば教えてください。
ヨウ プロデューサー: はい、多くの面で日本は私の創作活動のベースとなっています。現在も日本との多くのプロジェクトを抱えていますし、日本とのコラボレーションは今後も続いていくでしょう。
TGFM:コロナ禍に企画を前に進めることは今まで以上に大変なことだったと思いますが、困難な状況でも前進する秘訣を教えてください。
ウー監督:とても大変でした。海外のキャストやクルーのビザの取得など、特に多くの規制がありました。隔離の問題や健康面での不安以外だと、小さなクルーを組む必要がありました。20人以下にしたことで、バブル方式で撮影をすることができました。私はキャストやクルーの間で芽生えた絆がスクリーン上に出ると感じていましたが、今回の規制がキャストやクルーをより親しくし、撮影時には家族のような関係にしてくれその結果がスクリーンにも表れていると思います。時にはデメリットがメリットになることもあるんですね。
映画製作を続ける秘訣は、アーティストとして多数派が求めることに対して挑むことだと思います。自身のストーリーを語る上で常に新たな方途を探し続けることです。


